「たった4ポイントだけ!」を意識すれば、もっとAIをうまく使えるようになります
(1)意図・目的、(2)文脈、(3)情報、(4)先の3つを具体的かつ明確。それぞれを具体例を出しながら説明します
「遅刻、遅刻ー!」
と思いながら、大慌てで、娘を保育所に連れて行こうと、家を出た瞬間、ふっと思いつきました。
不思議ですよね、アイデアは、「予期せぬ瞬間」に降ってきます。
マンションのエレベーターを降りながら、iPhoneのメモアプリに、思わず殴り書きしました。
意図・目的
文脈
情報
これらを、具体的かつ明確に!
無事、保育所に娘を送り届けたあと、仕事場に向かいながら、この4つについて考察を行いました。AIの仕組み上からも、プロンプトエンジニアリングと呼ばれるAIの性能を引き出すための様々な実践知の観点からも、これで良い!と納得しました。
今日は、ふとした瞬間に思いついた「4つの視点」について説明します。
実質、3つです。覚えて帰ってください
4つのポイントと言いましたが、4つ目は「先の3つを具体的、明確に」というメタなポイントです。したがって、覚えるべきことは3つだけです。
たった3つだけですが、初めてAIを使った時から、その後、ずっと使えるポイントになります。さらに、この4つのポイントを意識し続けると、短期間に「AIを使うのが上手」になります。
なお、この理論的な背景を知ると、さらに上手に使えます。理論的な背景を深く学びたい方は、下記のオンラインコースをご検討ください。
以下では、4つのポイントの解説と、具体例を示します。さらに、この4つのポイントを自動的に組み込めてしまう「もっとシンプルな方法」もお伝えします。
4つのポイント
(1) 意図・目的
AIに何かを指示するとき、「意図・目的」を意識してみましょう。できたら、プロンプト(指示)を書くとき、メモ帳などを開いて、以下のように考えます。
何を得たいと思っているんだろう?
何のために、今依頼するんだろう?
最終目的は、なんだろう?
このような問いを立てて、あげるだけで「意図・目的」が明確になりやすくなります。
あるいは 「今、お願いしたいと思っていることは、単なる手段。だったら、目的は?」 と考えてみるのも、効果的です。
例えば、"「コーヒーを勧める文章を書いてください」" というプロンプトの場合で考えてみましょう。
「これは単なる手段。目的は?」 と考えると、例えば、「顧客にコーヒーの素晴らしさを知ってもらいたい」となったとします。さらに、「顧客にコーヒーの素晴らしさを知ってもらいたい」は、単なる手段だ、目的は? と考えてみましょう。
すると、「最終的には、コーヒーの購入を増やしたい」となるかもしれません。
このような自問自答をしてあげるだけで、「意図・目的」は、明らかになります。このような自問自答を行った結果を文章にするだけです。
以下のように書けます。
「最終的にコーヒーの売り上げを高めたいです。そのために、顧客にコーヒーの魅力を伝え、飲みたいと思わせたいです。そのためのプロンプトを書いてください」
このように、意図・目的を意識するだけで、AIが働きやすい状態になります。
(2) 文脈
文脈とは、「一連の流れ」のことです。以下のようなものが、文脈にあたります。
現在のあなたの状態、状況
現在に至るまでの経緯
これから目指している先
今後、起こりそうなこと
周りの環境、状況、制限
などです。
これらの情報を与えることで、AIは「より良い回答」ができます。AIは「与えられた文脈を理解し、それに適した続きを生成する」という仕組みです。文脈情報を与えると、その文脈にぴったりの続きを書きやすくなります。
そんなこんなで、上記のような「文脈」と呼ばれるものを意識してみましょう。
先ほどのコーヒーの文章であれば、以下のようになります。
私は、コーヒーショップを運営している
オンラインショップを開設し、販売している
顧客リストを持っている。その人たちにメールをしようと思っている
顧客は、ある程度は、コーヒーが好きな人
コーヒーの良さを読むだけで、幸せな気分になってくれる人たち
この人たちに向けて、ニュースレターを書こうとしている
これが文脈です。先の目的と、上記の文脈を合わせて文章にすると以下の通りです。
最終的にコーヒーの売り上げを高めたいです。そのために、顧客にコーヒーの魅力を伝え、飲みたいと思わせたいです。そのためのプロンプトを書いてください。
私は、オンラインショップでコーヒー豆を販売しています。このショップでは、店舗に来てくれたお客さんや、オンラインショップで豆を購入してくれたお客さんのメールアドレスを収集しています。この顧客リストに対して、メールを送って、販売促進をしたいです。
この顧客たちは、一般の人よりもコーヒーが好きです。したがって、コーヒーの素晴らしさを伝えるだけで、喜んでくれる方々です。彼らに「そうだよね!やっぱりコーヒーは素晴らしいよね!」と思わせることができるだけで、購買意欲は高まるはずです。
彼らに向けたニュースレターを書いてください。
難しそう!って思いましたか?
安心してください。上記の文脈の箇条書きを、そのまま与えるだけでも、十分動きます。
(3) 情報
最後にAIに与えるべきものは「情報」です。AIは、あなたのプロフィールや、あなたのオンラインショップの名前などは何も知りません。AIは有能ですが、AIが必要とする情報を渡してあげないと、どうにもできません。
例えば、以下のようなものです。
コーヒーショップ名
ショップオーナーの名前
販売促進したい豆
その豆の定価と、今回の割引価格
購入のためのWebページのURL
などです。
これらを与えなくても、AIは「架空のもの」で代用してくれます。しかし、必要とする情報を与えてあげると、あなたが望む結果に、より近づいていきます。
(4) 具体的、明確に
ここまで説明してきた「意図・目的」「文脈」「情報」を与えるとき、できるだけ「具体的」かつ「明確」にすることが大切です。簡潔かつ明確に書くことで、AIはより正確に意図を理解し、質の高い回答を提供できるようになります。
3つの内容を「具体的か?」「明確か?」と問いただして、簡単で良いので編集すると良いでしょう。
AIとやりとりするときに、いつも「もっと具体的にできないか?」「もっと明確で、簡潔にできないか?」と自分に問いかけながら使うと良いでしょう。
日々の使用の中で、レベルアップを図っていくことが大切です。
実は「もっと簡単で、別の方法」があります
上記の4つのポイントは難しかったですか?それとも、役に立つ内容と感じましたか?明日から実践できそう!って思えましたか?
おそらく、多くの人は「なるほどなー、でも難しそう」「具体的にどうしたらいいか、例をたくさん学びたい」「練習したら上達するのかな?それまでは、性能が引き出せないかも・・・」と感じていると思います。
実は、この4つのポイントを「もっと簡単に」実行する方法があります。
それが「ごめんね!メソッド」です。これは前回の記事で紹介した「AIの利用方法の3分類」のうち、「共創型」に位置づけられる方法論です。「ごめんね!」と言いながらAIに質問を重ねていくことで、対話を通じて最適な答えを引き出していく手法のことです。(前回の記事はこちら)
ごめんね!メソッドを使うと、対話を重ねる中で、
意図・目的
文脈
情報
具体的、明確
が実現されていきます。
というか、この4つのポイントが「対話を通じて、勝手に実現されるように」、ごめんね!メソッドを構築しました。
次回からは、この「ごめんね!メソッド」に関して、色々とシェアしていきます。お楽しみに!!